私(専門:魚類行動生態)が論文投稿できそうな投稿先を整理してみた

論文

自分自身が実際に論文を投稿するようになるまでは、掲載誌(ジャーナル)を意識して論文を読むことはほとんどなかった。投稿を始めてみると、周囲には「まるでジャーナル博士だ!」と感心するほどジャーナルに詳しい人がいる。そこで、まだ手探りではあるが、投稿候補となり得るジャーナルを整理した。我々“ちいかわ”研究者には、APC(論文掲載料)を自前の研究費だけで賄えるほどの余裕はない。APCの有無や金額は、投稿先を選ぶうえでどうしても重要な基準とならざるを得ない。悲しいかな。

最初の版(2025年10月)はChatGPTに聞きながらまとめたが、2026年9月に、AIの助けも借りつつ各誌の公式サイトでIF・OAの形態・APCを確かめ直し、説明文も公式の情報をもとに書き直した。各誌の公式サイトへのリンクも付けた。それでも誤りがあればご容赦いただきたい。内容は随時更新する。

この一覧の見方

  • IF:2026年6月にClarivateが発表した値(2025年のJournal Impact Factor)。雑誌の論文が平均してどれくらい引用されたかの目安で、個々の論文の質を表すものではない。
  • OA形態:「購読出版可(任意でOA化)」の雑誌は、APCを払わずに出版できる。APCがかかるのはオープンアクセス(OA)にしたい場合だけ。「費用必須(フルOA)」の雑誌は、原則としてすべての論文にAPCがかかる。
  • APC:通常の原著論文の定価(税別)で、2026年9月30日時点の公式ページの金額。日本の著者に適用されるドル建ての価格を載せ、1ドル=157円(2026年9月25日の相場)で円に換算した(おおよその額)。
  • APCを減らす方法:所属機関が出版社と転換契約(購読料とAPCをまとめた契約)を結んでいれば、APCの割引や免除を受けられることがある。私の所属する大阪公立大学は、2025年からWileyとElsevierとこの契約を結んでいる(対象誌と手続きは学内の案内で確認が必要)。科研費の直接経費からAPCを支払うこともできる。

超トップ総合誌

Nature(IF 56.1)

公式サイト(nature.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $12,850(約202万円)

科学技術の全分野を扱う総合誌で、科学的に特に重要で、分野を越えた幅広い読者の関心を引く結論に達した独自の研究を掲載する。編集部はまず、結果が新しく意外性があり、すぐにも広い範囲にも影響をもつかを判断し、投稿の大半は査読に回らず不採択となる(採択は投稿の約8%)。本文は6ページで約2,500語、8ページで約4,300語が目安で、2025年6月16日以降の投稿では査読コメントと著者の返答も公開される。

Science(IF 47.3)

公式サイト(science.org)
OA形態: 購読出版のみ(有料でOAにする枠はない。受理原稿は出版と同時にリポジトリで公開できる)
APC: なし(印刷版のカラー図は有料)

米国科学振興協会(AAAS)が発行する週刊の総合科学誌で、全分野から、専門分野やその枠を超えて影響を与える新しく重要な成果を募集している。投稿の多くは査読編集委員の評価をもとに外部査読に回すかが決まり、2025年に外部査読に回ったのは15.0%、採択率は5.3%だった。研究論文は本文3,000語以内・図表3〜5点が基本で、方法は補足資料に書く。

生態学・進化学のトップ総合・準総合

Nature Ecology & Evolution(IF 17.1)

公式サイト(nature.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $12,850(約202万円)

生態学と進化生物学の全領域を扱うNature系のオンライン月刊誌で、対象分野の一覧に行動生態学も入っている。この分野で最も優れた重要な進展を掲載するとしており、論文形式には本文3,500語以内のArticle、1,000~1,500語のBrief Communication(短報)、データ収集前に計画の査読を受けるRegistered Reportがある。二重匿名査読も選べる。

Nature Communications(IF 18.1)

公式サイト(nature.com)
OA形態: 費用必須(フルOA)
APC: $7,350(約115万円)

自然科学から社会科学、工学までの全分野を扱うNature系の完全OA誌で、各分野の専門家にとって重要な進展を掲載する。担当編集者が新規性と潜在的なインパクト、概念または方法の進展、読者の関心を評価し、基準を満たした原稿だけを査読に回す。原著論文は短い報告も含めてArticleの1形式で、本文は5,000語以内が目安であり、査読コメントと著者の返答は論文とともに公開される。

Science Advances(IF 13.9)

公式サイト(science.org)
OA形態: 費用必須(フルOA)
APC: $5,450(約86万円)

AAASが2015年に創刊した全分野対象のオープンアクセス誌で、Scienceの姉妹誌にあたり、特定分野の重要な進展も分野横断的な研究も対象になる。現役研究者からなる編集委員会が外部査読に回すかを決め、2025年の採択率は8.8%だった。研究論文の長さは柔軟で、上限は1万5,000語・図表10点・引用80件である。事前問い合わせは受け付けていないが、Scienceからの転送投稿は受け入れている。

生物学・生態学のトップ

PNAS(IF 9.5)

公式サイト(pnas.org)
OA形態: 購読出版でも費用必須(即時OA化は任意)
APC: $6,075(約95万円)。OAにしない場合も$3,025(約47万円)かかる

米国科学アカデミー(NAS)の機関誌として1914年に創刊された、生物・物理・社会科学にまたがる総合誌で、生物学には生態学や進化の区分がある。研究論文は6ページ(約4000語・図表4点程度)が推奨で最長12ページ、3ページ(約1600語)までの短いBrief Reportもある。2025年の一般投稿の採択率は13%で、掲載論文はすべて出版後6か月以内に無料で読めるようになる。

Current Biology(IF 7.7)

公式サイト(cell.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $7,030(約110万円)。購読出版なら掲載料はないが、カラー図は有料(OAなら免除)

Cell Pressが発行する生物学全般の総合誌で、特定分野にとって重要な進展や、生物学者に広く関心をもたれる成果を掲載し、分野間の交流を目指している。研究論文はArticle(本文約5000語・図表7点まで)、簡潔なReport(約2500語・図表4点まで)、査読付きの短いCorrespondence(1000語・図表1点まで)の3形式がある。投稿前の事前問い合わせが強く推奨されている。

PLOS Biology(IF 6.9)

公式サイト(journals.plos.org)
OA形態: 費用必須(フルOA)
APC: $5,500(約86万円)。所属機関がPLOSのCommunity Action Publishingに参加していれば著者負担なし
※IFは出版社が公表しておらず、二次情報による

米国の非営利出版団体PLOSが発行するオープンアクセス誌で、分子から生態系まで生物学の全分野を扱い、その分野だけでなく他分野にも広く影響する成果を厳しく選んで載せる。研究論文のほか、結果をふつう3〜4枚以下の図にまとめる短報(Short Reports)や、データ収集の前に計画を審査する事前登録型の論文もある。査読者は署名しない限り匿名で、査読の記録を公開するかは著者が選べる。

Ecology Letters(IF 7.7)

公式サイト(onlinelibrary.wiley.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $5,560(約87万円)

フランス国立科学研究センター(CNRS)と提携してWileyが刊行する生態学の総合誌で、あらゆる分類群と地域を扱う。明確な仮説を検証する論文を優先し、記述のみの研究や既存結果の確認・拡張にとどまる研究は勧めず、生態学全般に貢献しない進化学の研究はまれにしか載せない。主な論文種別のLetterは本文5,000語、図・表・ボックス計6点、要旨150語までで、査読報告は採択後に原則公開される。

Proceedings of the Royal Society B(IF 3.6)

公式サイト(royalsocietypublishing.org)
OA形態: 2026年はSubscribe to Open(図書館の購読料でOAにする方式)により、全論文が著者負担なしでOA
APC: なし(2026年掲載分。2027年も同じ方式を予定しているが、図書館の支援しだいで未確定)

英国王立協会が発行する生物学の総合誌で、行動・生態・進化を含む生物学全般を対象に、生物学者に広く意味をもつ新しい知見を求める。専門的すぎる、または新規性が足りないと判断された論文は査読前に返却されることがある。原著論文はタイトルや要旨、図の説明文、表、参考文献も含めて1万語以内、図を含めて12ページ以内である。2024年から二重匿名査読が必須となり、査読報告も原則として論文とともに公開される。

The American Naturalist(IF 2.7)

公式サイト(journals.uchicago.edu)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化。編集者の承認制)
APC: $2,500(約39万円)。ASN会員は$2,000(約31万円)。OAにしなくても1ページ$100(約1.6万円)のページ料がかかる

アメリカ博物学者協会(ASN)の学会誌(1867年創刊)で、進化・生態・行動を横断して新しい概念的総合や重要な問題の提起、考え方を変える研究を求める。通常論文は原則7,500語以下(引用文献を除く)・図表6点までで、自然史の観察から既存理論への疑問や新しい問いを示す短報Natural History Miscellanyの枠もある。二重匿名査読で、データとコードは投稿時に提出する。

Evolution(IF 3.0)

公式サイト(academic.oup.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $3,477(約55万円)。SSE会員は$2,434(約38万円)。OAにしない場合、SSE非会員には1ページ$50(約8,000円)の掲載料がかかる(会員は免除)
※IFは出版社(OUP)のサイトに表示がなく、学会(SSE)のページによる

Society for the Study of Evolution(SSE)の学会誌で、進化生物学の全分野を扱う。投稿規定には、よく知られた現象を別の分類群や条件で示すだけの研究や、既存モデルを当てはめるだけの研究は採択されにくいとある。語数の上限の目安は原著論文7,500語、短報5,000語である。査読は二重匿名で、英語を母語としない著者は無料の簡易英文校閲(EELS)を使える。

Biology Letters(IF 2.7)

公式サイト(royalsocietypublishing.org)
OA形態: 2026年はSubscribe to Open(図書館の購読料でOAにする方式)により、全論文が著者負担なしでOA
APC: なし(2026年掲載分。ページ料・カラー料金もない。2027年も同じ方式を予定しているが、図書館の支援しだいで未確定)

英国王立協会が2005年に創刊した生物学誌で、早い公開が役立つ短く新しい論文を載せ、個体を対象とする生物学・生態・進化に特に強いとしている。採否の基準は分野の大きな前進を示すことで、予備的・パイロット研究は通常扱わず、新規性が足りないとして査読前に不採択となる論文も多い。追試研究も受け付ける。原著論文は3,500語以内(図表の説明文を含み、参考文献は含まない)で、図3点と表など3点までである。

行動生態学・生態学“ど真ん中”の専門誌

Animal Behaviour(IF 2.3)

公式サイト(sciencedirect.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $3,140(約49万円)

Association for the Study of Animal Behaviour(ASAB)の学会誌で、1953年に創刊された。北米のAnimal Behavior Society(ABS)と連携して刊行される。行動が中心の研究なら対象動物を問わず、行動生態学、感覚生物学、動物福祉などの実証研究と理論研究を扱う。原著論文、総説、コメンタリーを掲載し、2025年から電子版のみとなった。

Behavioral Ecology(IF 2.2)

公式サイト(academic.oup.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $4,265(約67万円)。ISBE会員は$3,412(約54万円)。データの公開登録が掲載の条件で、2026年1月からDryadを使う場合の登録料は著者または所属機関の負担になった

国際行動生態学会(ISBE)の公式誌で、行動の出現と適応的意義を生態・進化の過程から説明する研究、行動から生態パターンを予測する研究、行動と環境の関係の比較解析を対象とする。採餌、捕食回避、配偶と子育ての戦略、性選択、コミュニケーション、群れ行動などを扱い、理論モデル、メタ解析、追試研究も受け付ける。査読は二重匿名で、75語以内の一般向け要約(Lay Summary)が必要である。

Behavioral Ecology and Sociobiology(IF 2.0)

公式サイト(link.springer.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $3,690(約58万円)

動物行動を個体から種までの各レベルで扱う定量的な実証・理論研究の雑誌で、行動の適応的な機能と進化を重視しつつ、至近要因を調べる研究も対象になる。協力や親の養育などの社会行動、受精前・受精後の性淘汰、血縁認識、種間関係、シグナル、行動の可塑性などを扱う。原著論文は刷り上がり13頁が上限で、主な結果の意義を120〜140語以内で述べるSignificance statementが必須である。

Ethology(IF 1.3)

公式サイト(onlinelibrary.wiley.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $4,930(約77万円)

1937年創刊のEthological Societyの公式誌で、行動の発達、機構、機能、進化を扱い、理論的枠組みに基づく野外・室内の実験を優先する。種の行動の理解を根本から変えるか新たな研究を促す新行動を報告するBehavioural NotesやRegistered Reportsがあり、十分なサンプル数に基づく否定的結果も歓迎する。厳密な語数制限はなく、査読は単一匿名である。

Behaviour(IF 1.3)

公式サイト(brill.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $2,695(約42万円)

1948年にティンバーゲンとソープが創刊した行動学の専門誌で、ティンバーゲンの4つの問い(しくみ、発達、機能、進化)を等しく扱う方針を掲げる。自発的な行動を体系的に観察した研究を掲載してきた伝統があり、統制された室内実験や、行動やその進化の計算モデルも受け付ける。原著論文と総説のほか、逸話(注目すべき行動を一度だけ観察した記録)や仮説論文の枠があり、投稿時には査読者候補を6名挙げる。

Behavioural Processes(IF 1.6)

公式サイト(sciencedirect.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $3,690(約58万円)

理論的な立場を問わず動物行動の原著研究を受け付ける専門誌で、行動分析学、認知、動物行動学、生態学、進化の視点からの研究を扱う。基礎的な行動現象も応用的な研究も対象になり、分野をまたいで理論と方法を統合した論文を特に歓迎するとしている。論文の種類は原著論文、総説、短報(Short Reports)で、短報は単一の実験の結果を2000語以内・図表計2点以内で報告する。

Journal of Ethology(IF 1.5)

公式サイト(link.springer.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $3,690(約58万円)

日本動物行動学会の公式英文誌で、1983年に創刊された。野外・実験室・理論の研究を受け付け、観察研究も実験研究も扱う(観察研究には意義を示す背景説明が必要)。論文種別には、新しい知見を動画で示すVideo Articleと、既存の理論や仮説を映像で示すか新しい着想を提案する短いVideo Insightもある。Editor’s Choiceには毎年数編が選ばれ、学会負担でOAになる。

Animal Cognition(IF 2.3)

公式サイト(link.springer.com)
OA形態: 費用必須(2024年からフルOA)
APC: $3,490(約55万円)

動物(およびヒト)の認知を進化の枠組みで扱う学際誌で、動物行動学・行動生態学・比較心理学などの研究を受け付ける。個体や餌の認識、観察・模倣による学習、空間の把握、数の認知、道具使用、コミュニケーションなどの研究を特に歓迎しており、それらが種の自然な生態とどう関わるかという問いも対象に挙げている。短報(Brief Report)は本文がおおむね2,000語以内で、図表は3点以内である。

Zoological Science(IF 1.0)

公式サイト(bioone.org)
OA形態: 購読出版(2026年巻はSubscribe to Openにより全論文が無料公開)
APC: なし(2026年巻)
※IFはBioOneの表示で、年の記載はない

日本動物学会が1984年に創刊した英文誌で、BioOneで公開されている。動物学の広い分野を扱い、投稿時に行動生物学・生態学・生殖生物学など16の審査分野から選ぶ。総説は主に依頼による。非会員も投稿でき、原著論文は刷り上がり8ページまで掲載料がかからない(超過分とカラー印刷は有料)。Subscribe to Openの試行(2026〜2028年)では、購読額が目標に達した年の巻が無料公開される。

Zoological Letters(IF 2.8)

公式サイト(link.springer.com)
OA形態: 費用必須(フルOA)
APC: $2,190(約34万円)。責任著者が投稿時と受理時の両方で日本動物学会の会員であれば、学会のAPC支援を受けられる場合がある(2026年7月1日以降の受理論文が対象で、年間APC 7本分相当まで先着順、2028年度までの試行。著者がいったん立て替え、後で学会から入金される)

日本動物学会がZoological Scienceの姉妹誌と位置づけ、BMC(Springer Nature)から出すフルOA誌である。分類学からバイオインフォマティクスまで基礎動物学を幅広く扱い、古生物学の報告も受け付ける。行動や繁殖の研究も対象になる。誌名にLettersとあるが短報の区分はなく、論文種別は原著論文と総説の二つで、査読は片側匿名である。

Animal Biology(IF 0.8)

公式サイト(brill.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $2,695(約42万円)

1872年の学会創設時からオランダ王立動物学会の公式誌で、2003年に現誌名となった。行動、発生、生態、内分泌、進化、形態、神経、生理など動物学の諸分野の統合を重視し、純粋に記述的な論文は受け付けない。原稿は原則として図表込みで刷り上がり12ページ以内で、研究計画を事前に審査する登録報告(Registered Reports)も受け付ける。カラー図は無料で、OAにしなければ掲載料もかからない。

Journal of Zoology(IF 2.0)

公式サイト(zslpublications.onlinelibrary.wiley.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $4,650(約73万円)

ロンドン動物学会(ZSL)の公式誌で、前身の学会紀要は1830年に始まった。行動・生態・生理・形態・進化・遺伝など動物学の幅広い分野で仮説検証型の研究を歓迎し、原著論文は本文5000語以内(引用文献・要旨・図表説明を除く)である。種の基本的な特徴の記載、新種記載、家畜・ペットや動物園動物の飼育管理を主題とする研究、公衆衛生の研究は査読前に不採択となる。

Frontiers in Zoology(IF 2.8)

公式サイト(link.springer.com)
OA形態: 費用必須(フルOA)
APC: $3,190(約50万円)

BMC(Springer Nature)のフルOA誌で、ドイツ動物学会の発案で創刊され、同学会が支援している。動物を異なる視点から研究する諸分野を結びつけ、遺伝子から生態系まであらゆる階層で動物の現象を理解する基盤となることを目指す。原著と総説のほかHypothesisやMethodologyも載せ、査読は片側匿名である。誌名にFrontiersとあるが、Frontiers社の雑誌ではない。

Ecological Research(IF 1.7)

公式サイト(esj-journals.onlinelibrary.wiley.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $3,150(約49万円)。筆頭または責任著者が日本生態学会・個体群生態学会・種生物学会の会員なら、学会の補助で著者負担は18万円+振込手数料

日本生態学会の公式英文誌で、1986年創刊である。個体から生態系まで生態学の全分野を扱い、理論・実証・記述のどの研究も受け付けるが、個別の事例を越えた一般的な知見を求めている。アジアの生物多様性の研究を特に歓迎している。区分には原著論文(引用文献を除き約7,000語まで)のほか、予備的だが新しい結果を報告するNotes and insights(同約4,000語まで)やデータ論文などがある。

魚類・生態学系ジャーナル

Journal of Fish Biology(IF 1.9)

公式サイト(onlinelibrary.wiley.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $4,480(約70万円)

英国の学会FSBI(Fisheries Society of the British Isles)の公式誌で、魚類生物学全般を扱い、論文に動画を埋め込める。珍しい現象や観察を一点に絞る短報(Brief Communication、本文約2,500語以内、図表は原則各1点まで)もある。単一種や狭い地域に限った食性や繁殖の基礎研究は、広い意義がない限り通常扱わず、短報にも種や地域を越えた意義を求める。

Environmental Biology of Fishes(IF 1.5)

公式サイト(link.springer.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $3,690(約58万円)

海水魚と淡水魚について、魚と外部・内部の環境との関係を扱う1976年創刊の雑誌である。生態、生活史、行動、生理、形態、系統分類、進化などの実証・理論研究を掲載し、人が改変した環境も対象とする。軟骨魚類(サメ・エイ類)の研究を特に歓迎している。短報(Brief Communication)は特に緊急性・時宜性・重要性の高い報告に限られる。投稿規定には本文の語数や頁数の上限が書かれていない。

Ichthyology & Herpetology(IF 0.7)

公式サイト(asih.org)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $3,500(約55万円)。ASIH会員は$900(約14万円)。OAにしない場合も、非会員はPDF 1ページ$200(約3.1万円)の掲載料がかかる
※IFはBioOneの表示で、年の記載はない

米国魚類両生爬虫類学会(ASIH)が発行する魚類・両生類・爬虫類の専門誌で、1913年創刊のCopeiaが2021年から現誌名になった。行動、生態、進化、分類などを扱い、これらの動物をモデルに広く意義のある仮説を検証する研究も対象になる。短報の区分はないが、短い論文も同じ基準で審査される。分布拡大の記録や地域の種目録は扱わない。査読は二重匿名で、非会員はOAにしなくてもページ単位の掲載料がかかる。

Ichthyological Research(IF 0.9)

公式サイト(link.springer.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $3,790(約60万円)

日本魚類学会の公式英文誌で、分類、系統、進化、生物地理、生態、行動、遺伝、形態、生理など魚類生物学の全分野について、記述的研究と実験的研究を掲載する。長さの上限は刷り上がりで本論文25頁、短報8頁、総説・モノグラフ45頁である。非会員も投稿でき、カラー図版は無料である。学会の「研究材料として魚類を使用する際のガイドライン」(2003年策定、2024年一部改正)への配慮が求められる。

OA・方法論特化など

Methods in Ecology and Evolution(IF 5.7)

公式サイト(besjournals.onlinelibrary.wiley.com)
OA形態: 費用必須(フルOA)
APC: $3,500(約55万円、研究論文・総説)。Application・Workflow・Practical Tools・Perspectiveは$2,600(約41万円)。BES会員は20%割引。外部資金がない場合は投稿時に裁量による全額免除を申請できる

英国生態学会(BES)の方法論の学術誌で、生態学・進化学の新しい解析法、野外や実験の手法、機器、ソフトウェアを扱う。手法を使った結果ではなく手法そのものが主役で、一つの分類群や生態系にしか使えない手法は採択されにくい。査読は二重匿名制で、コードとデータも査読される。研究論文は表と図の説明文・引用文献込みで7,000〜8,000語、ソフトウェアや機器の紹介は3,000〜4,000語が上限である。

Communications Biology(IF 5.8)

公式サイト(nature.com)
OA形態: 費用必須(フルOA)
APC: $4,390(約69万円)

生物学の全分野を扱うNature系の完全OA誌で、行動生態学も対象になる。結果が新しく、結論が強い証拠に支えられ、データが技術的に妥当で、その専門分野の研究者にとって重要であることが基準で、分野の考え方に影響しうる理解の進展が求められる。原著論文は本文5,000語未満が推奨される。査読コメントと著者の返答は論文とともに公開され、2026年11月3日以降の投稿では著者が辞退できなくなる。

Scientific Reports(IF 4.9)

公式サイト(nature.com)
OA形態: 費用必須(フルOA)
APC: $2,850(約45万円)

自然科学・心理学・医学・工学の全分野を扱うNature系の完全OA誌で、2011年に創刊された。インパクトの評価は研究者コミュニティに委ね、行動生態学や魚類の研究でも、方法・解析・解釈が適切で、倫理面に問題がなく、データに十分支えられていれば対象となる。本文は4,500語以内が推奨され(厳密な上限はない)、図表は8点までで、Registered Reportも投稿できる。

PLOS ONE(IF 2.8)

公式サイト(journals.plos.org)
OA形態: 費用必須(フルOA)
APC: $2,477(約39万円)
※IFは出版社が公表しておらず、二次情報による

PLOSが2006年に創刊したオープンアクセス誌で、自然科学・工学・医学と、それに関連する社会科学・人文学の200以上の分野を扱う。重要性の大きさではなく、科学的な妥当性・方法の厳密さ・倫理基準で採否を決め、否定的な結果や追試も対象になる。事前登録型の論文(Registered Reports)や、実験手順・研究計画を報告する論文も受け付ける。査読の記録を公開するかは著者が選べる。

Biology Open(IF 1.8)

公式サイト(journals.biologists.com)
OA形態: 費用必須(フルOA)
APC: $2,500(約39万円)

The Company of Biologistsが発行するオープンアクセス誌で、生物学・生物医学の全分野を扱い、影響の大きさにかかわらず結論がデータで支えられた論文を載せる。原著論文の上限は材料と方法などを除いて8,000語、図表8点である。2025年3月から投稿後7営業日以内に査読つきの判定を返すことを目指す方式(Fast & Fair)を標準とし、査読の記録も公開している(著者は辞退可)。

Royal Society Open Science(IF 3.0)

公式サイト(royalsocietypublishing.org)
OA形態: 費用必須(フルOA)
APC: $1,960(約31万円)。資金がない場合は投稿時に免除を申請できる

英国王立協会が科学・数学の全分野を対象に発行するオープンアクセス誌である。科学的に妥当で研究者に役立つ論文を、新規性や影響の大きさを問わずに載せる査読方式(objective peer review)をとり、否定的な結果や追試研究も歓迎している。研究計画を先に審査するRegistered Reportも受け付け、字数制限はなく、査読報告と著者の回答は原則として論文とともに公開される。

BMC Ecology and Evolution(IF 2.7)

公式サイト(link.springer.com)
OA形態: 費用必須(フルOA)
APC: $2,990(約47万円)

2021年にBMC EcologyとBMC Evolutionary Biologyが統合してできた、BMC(Springer Nature)のフルOA誌である。行動生態学、個体群生態学、保全生物学、種分化など12の分野を扱う。科学的に妥当であれば掲載を検討し、注目度や予想される影響力では判断しないと明記している。査読報告を論文とともに公開する透明な査読を採っており、査読者の名前は公開しない。

Ecology and Evolution(IF 2.6)

公式サイト(onlinelibrary.wiley.com)
OA形態: 費用必須(フルOA)
APC: $2,700(約42万円)。英国生態学会(BES)の会員は20%割引で$2,160(約34万円)

生態学・進化学・保全科学を幅広く扱う完全オープンアクセス誌で、不採択の理由より掲載する理由を探す方針をとり、新しさがないことを不採択の理由にしない。記述的な研究や予備的な研究も受け付け、原稿の長さに制限はない。2025年の採択率は68%である。珍しい、あるいは未記載の生態や行動の観察を報告するNature Notesという区分もある。

PeerJ(IF 2.9)

公式サイト(peerj.com)
OA形態: 費用必須(フルOA)
APC: $2,155(約34万円)。著者全員が生涯会員(1人$755=約12万円から。会員の種類により12か月に1〜5本まで)ならAPCは不要

2013年に最初の論文を出したオープンアクセス誌で、2024年からTaylor & Francisグループに属する。生物学・医学・環境科学のほか化学や工学も扱い、分野区分には動物行動、行動生態学、水産・魚類科学もある。新規性や影響の大きさではなく科学的・方法的な確かさで採否を決める。本文の長さに上限はないが組版後40ページを超えると追加料金がかかり、査読コメントは全掲載論文とともに公開される。

行動生態学との分野適合性が高い候補

Functional Ecology(IF 5.5)

公式サイト(besjournals.onlinelibrary.wiley.com)
OA形態: 費用必須(2025年からフルOA)
APC: $3,180(約50万円)。BES会員は20%割引で$2,544(約40万円)

英国生態学会(BES)の学術誌で、個体から生態系までの生態のパターンと過程を、仕組みから理解する研究を載せる。個体レベルでは生理・遺伝・生活史・行動の視点が対象で、生理(ストレスなど)と生態が互いに及ぼす影響は重点分野に挙がっている。査読は二重匿名制で、研究論文・総説・Perspectiveは表・引用文献・図の説明文込みで7,500語を超えるとカバーレターで理由を示す(厳密な上限ではない)。

Journal of Animal Ecology(IF 3.7)

公式サイト(besjournals.onlinelibrary.wiley.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $3,970(約62万円)

英国生態学会(BES)の学術誌で、1932年に創刊された。個体・個体群・群集・生態系・行動の各分野で、生態学の一般原理を検証し発展させる動物生態学の研究を載せ、対象種や調査地を超えて通用する結論を求めている。査読は二重匿名制で、研究論文は題名頁・要旨・引用文献・表と図の説明文を含めて8,500語が上限であり、超える場合はカバーレターで理由を示す。

Evolution Letters(IF 4.3)

公式サイト(academic.oup.com)
OA形態: 費用必須(フルOA)
APC: $2,882(約45万円)。ESEB・SSE会員は$2,017(約32万円)。資金のない著者向けの減免枠もある

欧州進化生物学会(ESEB)とSociety for the Study of Evolution(SSE)が共同所有する完全オープンアクセス誌で、Evolutionの姉妹誌である。進化生物学の全分野を対象に、分野を大きく進める研究や関心の広い研究の簡潔な論文を求め、大半を占めるLetterは5,000語までとする。査読は単一匿名で、2025年の初回判定までの中央値は23日だった。

Molecular Ecology(IF 3.7)

公式サイト(onlinelibrary.wiley.com)
OA形態: 購読出版可(任意でOA化)
APC: $5,210(約82万円)

分子遺伝学の手法を用いて生態・進化・行動・保全の問いに取り組む研究を扱う国際誌で、研究分野には繁殖戦略、血縁と血縁選択、性配分も挙がっており、親子判定で繁殖成功を調べる研究も対象になる。一方、記述が中心で対象の分類群を越えた問いに答えていない研究は、より専門的な雑誌かEcology and Evolutionなどに投稿するよう勧めている。原著論文は要旨から考察までで8000語以内である。

更新履歴

  • 2025年10月26日:公開
  • 2026年9月30日:IF・OAの形態・APCを各誌の公式サイトで確かめ直し、説明文を書き直した。「この一覧の見方」と、各誌の公式サイトへのリンクを追加した

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